メタボリックドミノから老化について考えてみる

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メタボリックドミノとは

あなたはメタボリックドミノという言葉を知っていますか?唐突ですがほとんどの人はメタボリックシンドロームしか聞いた事がないと思います。ということでメタボリックドミノについての医学論文をいくつかまとめてみました。(R)(R)(R)(R)(R)

メタボリックドミノとは慶應義塾大学医学部内科学教室(腎臓・内分泌・代謝)の伊藤裕教授が提唱した概念で、生活習慣の乱れが「肥満」を引き起こし、やがて「食後高血糖」「血圧上昇」「脂質異常」、いわゆるメタボリックシンドロームが起こる。その後もドミノ倒しのように「動脈硬化」が進み、「糖尿病」が起こり、さらに「腎臓病」「脳卒中」「心不全」「認知症」などが引き起こされるというものです。

伊藤先生はメタボリックシンドロームの診断基準が出来る2年前に既に生活習慣病の延長線上の恐ろしさを指摘していたのです。すごいですね。

メタボリックドミノの詳細

伊藤教授はメタボリックドミノは、生活習慣病を単一の疾患として捉えるのではなく、一連の健康問題が連続的に発生するプロセスとして理解することを提案しています。この概念では、肥満が最初のドミノ牌として位置づけられ、それが倒れることで他の健康問題が次々と引き起こされていくと考えます。

メタボリックドミノは、以下のような順序で進行すると考えられています。

上の画像がイメージだそうです。

1. 生活習慣の乱れ

2. 肥満、メタボリックシンドロームの発生

3. 食後高血糖&高血圧&脂質異常症

4. 動脈硬化や糖尿病

5. 慢性腎臓病の発症

6. 心血管イベント(虚血性心疾患や脳血管障害)の発生

伊藤教授によれば、この一連の過程は個人の遺伝的素因によって異なり、各段階が相互に影響し合いながら進行していくとの事です。つまり、人間は突然病気になるのではなくて日々の生活の乱れの積み重ねから病気に変化しているという事だそうです。怖いですね。

メタボリックドミノの特徴

メタボリックドミノの重要な特徴は以下の通りとのこと。

  • この概念は、生活習慣病が時間の経過とともに進行することを強調している。
  • 一つのリスク因子が次のリスク因子を引き起こす連鎖反応を表現している。
  • ドミノが倒れ始めると、心血管疾患という不可逆的な結果に至ることを示唆しています。
  • 伊藤教授は、アンジオテンシンIIがメタボリックドミノの各段階で重要な役割を果たしていると指摘しています。

メタボリックドミノを止める為に何が出来るのか

伊藤教授は、心血管疾患を効果的に予防するためには、メタボリックシンドロームの早期段階でアンジオテンシンIIの産生を抑制することが重要だと主張しています。

具体的な予防・治療アプローチとしては、以下が挙げられます。

  • 生活習慣の改善 : メタボリックドミノの最初の段階を防ぐために重要です。
  • レニン・アンジオテンシン系の抑制 : アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)などの使用が有効とされています。
  • 炎症の抑制 : チアゾリジン誘導体などの抗炎症作用を持つ薬剤の使用も検討されています。
  • 早期介入 : メタボリックシンドロームの早期段階での介入が重要です。(要は規則正しい生活しろって事ですね)

個人的考察

生活習慣を改善するのはやはり大事なようです。メタボリックドミノで言う最初の肥満になるところを抑えるのがドミノの手前で止める為に出来ることです。

個人的に気になったのはそのあとでもドミノを止める方法があるというところですね。レニン・アンジオテンシン系の抑制とチアゾリジン誘導体などの抗炎症作用を持つ薬剤に対するアプローチのところです。

レニン・アンジオテンシン系の抑制は降圧剤のACE阻害薬、ARB阻害薬、レニン阻害薬でアプローチ出来そうです。(薬事法にも触れますし、読者が飲んで副作用が出る可能性がある為、人には勧めません)レニン阻害薬は情報量が足りなさそうですが、この点に関して詳しい論文が気になるところですね。個人的にはリシノプリルをメタボリックドミノ対策で飲んでいますがこれが最適解という訳でもないと思うので他の論文も調べている最中です。

チアゾリジン誘導体などの抗炎症作用を持つ薬剤の方も気になりますね。チアゾリン薬といえば糖尿病の医薬品です。私自身は老化対策でメトホルミンとフォシーガを飲んでいますが炎症を抑制する医薬品はたくさんある上に作用機序も様々なものが多いのでどれが最適解なのかは分かりません。他の論文も読んでみるつもりです。(こちらも医薬品を服用する事は推奨してません)

基本的には生活習慣を整えて、糖尿病、高脂血症、高血圧になる前に糖分、脂肪分、塩分の取りすぎに気をつけるって感じですかね。

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