ラパマイシンとは
ラパマイシンはメトホルミンと共に抗老化界隈で盛り上がる医薬品ですが、現時点で判明している事をまとめた論文がありました。(R) いやあ、ありがたいですね。
実験概要
ラパマイシンは1960年代にイースター島の土壌から発見された化合物で、当初は抗真菌剤として注目され、その後、免疫抑制剤や抗腫瘍剤として使用されました。2009年には、ラパマイシンが寿命延長効果を持つことがマウスを使った研究で初めて示され、この発見は加齢研究の方向性に大きな影響を与えました。この論文では、過去10年間のラパマイシンの寿命延長効果や加齢関連疾患に関する研究成果を包括的に整理しています。
判明したこと
寿命延長効果
- ラパマイシンは雄雌問わずマウスの寿命を延ばすことが複数の研究で示されています。特に後年(19カ月齢以降)からの投与でも効果が認められています。
- 寿命延長効果はさまざまなマウス種や異なる投与量、投与方法で確認されており、特に高用量でより顕著です。
疾患モデルにおける効果
- ラパマイシンはアルツハイマー病モデルマウスで認知機能低下を防ぎ、アミロイドβやタウタンパク質を軽減しました。(アミロイドβやタウタンパクは認知症の原因じゃないかと言われている物質ですね)
- 癌モデルマウスにおいても腫瘍の進行を抑制し、寿命を延ばす効果が確認されています。
- 心血管疾患モデルマウスでは、心筋肥大や動脈硬化を軽減する効果が報告されています。
細胞老化と炎症抑制
- ラパマイシンは細胞老化を遅らせる効果があり、特に老化細胞(SASP)が分泌する炎症性サイトカインの抑制が注目されています。
- ラパマイシンは肺や大動脈などの老化指標を改善し、炎症を軽減することが示されています。
免疫系への影響
- 一部の研究では、ラパマイシンが感染症やワクチン接種に対する免疫応答を改善することが示されました。特に肺炎球菌やインフルエンザに対する抵抗力が向上しています。
まだ不明な点
長期投与の副作用とリスク
- ラパマイシンの長期投与による負の影響(例えば代謝への影響や炎症促進の可能性)については、特定の条件下で異なる結果が報告されており、さらなる研究が必要です。
効果のメカニズムの完全な解明
- ラパマイシンが加齢や疾患に対して多面的な効果を示す理由は、mTOR経路の抑制が鍵であると考えられていますが、他の分子機構や作用経路についての理解は限定的です。
ヒトへの応用可能性
- マウスでの研究結果がそのままヒトに適用できるかは不明です。特に、高齢者での投与による寿命延長効果や病気予防効果の検証が不足しています。
性差の要因
- ラパマイシンの効果が性別により異なる点(メスマウスの方が効果が高い傾向がある)の原因は明確ではありません。
結論
今回の論文は、ラパマイシンが加齢や加齢関連疾患に対して有望な介入手段であることを示唆しており、特に老化研究や臨床応用における次の研究段階を示しています。ただし、マウス研究に基づく結果であることから、ヒトでの適用可能性を評価するさらなる研究が必要です。要は人での研究はまだまだデータ不足という事ですね。個人的には可能性に賭けたい派なので20歳から2週間おきに4mgのシロリムス取っていますが、人には勧めないですね。飲んで5年経過していますが、変化があったとすれば、毎度飲んだ翌日に口内炎が出来た点と飲み始めた1年目に身長が5cm縮んだ点(それ以降縮んだ形跡無し&縮んだ年に受けた人間ドックで異常無し)の2点ですね。名探偵コナンで主人公が飲んだAPTX4869が現実世界で存在するならラパマイシンが1番近いと感じていますね。(作中でもアポトーシスにも触れていますし)
という事で、人での研究が不足している現時点では他人に勧めないですね。
一言で言うなら、データ不足なんで人に勧めないけど可能性に賭けて飲みたい人は自己責任でどうぞという事に落ち着きそうです。